番外編《雨月》

コミカライズ完結と、雪解雨あとがき



 今夜(令和5年5月14日0時)の更新で、LINEマンガさんに掲載されていた作画コマkoma様によるコミカライズ『雨の日と月曜日』の外伝が、無事最終話を迎えました。
 本編全28話・外伝全7話・おまけまんが7話で、コミカライズは完結となります。
 ※本日現在、課金の方は最終話まで、チャージ(無料)で読まれる方は、数週間後の更新をお待ちいただくことになります。

 多くの読者の方が応援し支えてくださったおかげで、ここまで。二人の未来が垣間見れるところまで、コミカライズとして描いていただけたこと、今もまだ半ば、夢を見ているような感覚もあります。
 読んでくださった読者の方はもちろんのこと、コミカライズでここまで読めたことも、こんなにも魅力ある作品を描いてくださったことも、ここまで愛情をもって描いて頂けたことも、この作品をずっとずっと大切にして下さったことも、ただただ、コマkoma様にも感謝の言葉しかありません。
 改めまして読者の皆様、コマkoma様、LINEマンガ編集者様、アシスタントのあちこ様、この作品に関わってくださったすべての皆様に感謝いたします。

 そして原作の方ですが、外伝の掲載にあわせて、先週と今週、新たに番外編を二作更新しました。
 1作目の「四温の雨(しおんのあめ)」は、本当はコミカライズ本編の最終回の記念に、何か書きたいなぁと思って書きかけていたものですが、外伝の連載が始まることになったため、後回しにしてしまった話でした。

 2作目「雪解雨(ゆきげあめ)」については、もともと、以前この小説を同人誌にしようかと考えていた時に、その中におまけとして載せるつもりでいた話のひとつで、今回、コミカライズの外伝が掲載されることになり、その構成をコマkoma さんとお話ししてた中で、この話は使えそうだということになり、コミカライズで描いて頂くことになりました。
 ある意味二人の関係にひとつの区切りがつくお話ですが、二人がこうなる時、何がきっかけとなるだろうかということは、以前より頭の中にありそれを形にしたものです。
 この作品を書き始めたときから、ずっと私の中では風太という人を、いわゆるヒロインを救うヒーロー的な存在だと思って書いたことはありませんでした。もちろん読まれる方がどう感じられるかはまた別の話ですし、単純にそれが私自身の性癖だということもありますが、むしろどちらかといえば、その逆だと思いながら書いていました。
 完璧でなく欠点も弱さも脆さも狡さもある、そして珠恵に強く執着する、そういう森川風太という人を書いていた、という感じでした。雪解雨は、ある意味ではその集大成かもしれないな…と思います。

 これから風太と珠恵は家族となっていきますが、「雨と日と月曜日」の小説で、私が書く時間軸は、この雪解雨までとなります。この先の時間については、以前のあとがきで少し触れたように、私が小説の形で書くことはありません。
 二人がどんな家族になっていくのか、それを読みたいというありがたいお言葉もいただくことはありますが、この話は「恋愛小説」として書いたものであるということ。もちろん、結婚したら恋愛でなくなるという意味ではないけど、関係性は少しずつ異なるものになっていくと思いますし、それは恋愛小説という形ではないかな、と思っています。
 それから、二人の話はここで完全に「完結」というものでなく、二人の未来や彼らを取り巻く周りとの関係性の変化など、ずっとずっと続いていく物語として、皆さまの中で、それぞれに思うその先を描いてみて頂けたならこんなにうれしいことはない、という思いもあります。
 私の中にももちろん、風太と珠恵がどんな家族となっていくのか、珠恵の家族との関係や周りの人たちそれぞれの行く末、ずっと先まで、それこそ彼らの物語が本当に終わりを迎えるその時まで、二人の生きている世界が存在しています。
 でもそれがたった一つの正解でなくて構わないですし、それぞれに皆様が描いてくださる世界が、二人の未来であればいいと、そう思っています。
 この先、番外編や掌編、スピンオフなどを時折書くこともあるかもしれませんが、ですのでそれは恐らく、二人が恋人であるここまでの時間のものになるだろうと思います。

 物語にひとつの区切りがついたということもあり、本編最終話後にあとがきを書いていますが、このあとがきは「雨の日と月曜日」の番外編を含めたもうひとつのあとがきとさせていただきたいと思います。

 ムーンライトノベルズに投稿していた当時からずっとずっと長く応援し支えてくださった皆様。面倒な手続きの上に会員限定のHPの頃から読者になってくださった皆様。今回、新たにコミカライズをきっかけに原作を読んで下さった皆様。
 そして熱い気持ちをもってこの作品をコミカライズ化してくださったコマkoma様。

 雨の日と月曜日を。珠恵と風太を。最後まで見守り応援してくださって、本当にありがとうございました。
 この作品は確かに皆様のおかげで、存在し続けることができた作品なのだと、また改めてそう強く感じさせてもらえた幸せな一年余りでした。

 心からの感謝を込めて。

 2023.5.14 きみね


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