【本編完結のあとがきとお礼】
こちらのサイトにて初めて本作を読んで下さった方も、また以前のサイトや投稿サイトにて読んで頂いていた、という方も。
珠恵と風太の出会いから、二人が共にある未来を思い描くようになるまでの日々を、最後まで見守って下さり、本当にありがとうございました。
あとがきがご不要な方は、ありがとうございましたの言葉だけでも、受け取って頂けたら嬉しく思います。
以下のあとがきは、以前のHPにて公開していたものと殆ど同じ内容となります。
(あとがき)
最終話まで、珠恵の父との問題は、結局解決はしていませんが、はじめからそういうつもりで書いていました。
このお話は、二人の出会いから一年と少しの間の時間の出来事を描いています。もしもこの先、父の態度が何らかの変化をみせる事があったとしても、それはこの短い時間で変わるようなものではないだろうと、思っています。
変わる事があるかもしれないし、変わらないままかもしれない。変わる事を認められず、ずっとこのままなのかもしれません。
ある程度の年を経た人が、それまでの自身の価値観を変えるという事は、とても難しいだろうと思っています。増してやあの父ですので。
それに珠恵達もまだまだ若くいので、少しずつこの先、人生に於ける立ち位置が変わっていくなかで、また別のものが見えてくることもあるのかもしれません。だから二人と父との関係が、この先もずっと全く交わらないままなのかと言えば、そうでもないのかも、とは思っています。
ひとつだけ私の中でこの父について確かなことは、悪かったとか許すという言葉を、口にすることはないだろうな、ということくらいです。
物語なのだから、本当は全てが丸くハッピーエンドに収まる方がいいのかもしれませんが、描いて来た関係が、こんな短い時間の中でそこまで劇的に変化するのは、却って不自然だろうとも思いました。
それから、最終話で風太がこたつの事を口にするエピソードがあります。あのお話は、私自身ら出て来たものではありません。
本作は、およそ10年近く前にムーンライトノベルズのサイトに半ばまでを投稿していた作品ですが、その頃から不思議なご縁があって、メッセージを何度も送って下さっていた方がいらっしゃいました。その方が、ご家族やご友人とのお話を毎回楽しく書いて下さっていて、これはその中のご夫婦のエピソードの一つでした。最初にお聞きした時から風太のイメージと重なって、どこかで使わせて頂きたいなあと思っていたお話でした。
ご本人にお許しを頂いて、最終話にほんの少しアレンジを加え書かせて頂きました。もしもこちらのサイトにお気づきのことがあれば、その節はご快諾下さってありがとうございました。
本作は、読まれた方が「珠恵」という女性をどこかで可愛いと感じて下さらなかったら、読み進めて頂くのは難しくなるだろうな、と思いながら書いていました。珠恵のヒロインとしての地味さや自信のなさや口調や態度に苛立ちを覚え、共感できない方もいらっしゃるだろうとも思っていました。
それでも、決して多くはなくとも、そんな珠恵を受け入れて読んで下さる方が少しでもいればいい、と思いながら書いていました。
ですので、ご感想などで、思った以上に珠恵を応援するコメントやお言葉を頂けたのは、とても嬉しかったです。
そして、珠恵だけでなくもちろん風太を、そして二人以外の登場人物達をも、温かく受け入れて愛しんで読んで下さったのだとしたら、それは本当にありがたいことだな。と思っています。
雨の日と月曜日の本編はこれで終わりです。頭の中では二人の物語はずっと長く続いていますが、読んで下さった皆様それぞれの中で、二人の未来を思い描いて頂けたらいいな…と思っています。
まだ移転できていない番外編がいくつかありますので、少しずつこちらでも公開していこうと思います。
また、以前のサイトでの公開時には本編に入れていた「休日閑話・雨と甘露」は、本来は番外編のエピソードだったため、番外編として公開致します。
ご興味があれば、番外編も読んで頂けたら嬉しいです。
最後までお読み下さり、本当にありがとうございました。
(以下は、あとがきではありません。)
ご記憶のあるかたも、もしかしたら、ほんの少しはいらっしゃるでしょうか。
上にも記載したとおり、本作は樹恵というPNでムーンライトノベルズに途中まで掲載していたものを、突然更新を停止し、他の投稿作品と併せて全てを削除してしまった話でした。
私にとって作品の掲載をやめて削除することは、本当に苦しい選択でした。
《完》が付くところまで、お届けしたかった、と思いながら作品を削除しました。削除した後は大袈裟かもしれませんが、胸に穴が開いたみたいで何も考えられませんでした。
削除するとお伝えした時は、私自身とても動揺していて全く冷静ではありませんでしたので、二度と誰にもお届け出来ないのなら手元に置いていても仕方がないだろうと、書いた作品の全てを消してしまうことしか考えていませんでした。
けれど、削除する前に全てのお話をコピーして必ず必ず手元に残しておいて下さい、と何度もメッセージを送って下さった読者の方がいらっしゃいました。
本作品もそれ以外の作品も、全ての頁を保存出来たのは、間違いなくそのお言葉を頂いたお蔭でした。KNT様、本当にありがとうございました。
それから、いつか絶対に続きを読みたい、読めると思っているから諦めないと、作品削除後も陰日向にと支えて下さり、たくさんのファンアートを描き続けて下さったKM様。
本当に、ありがとうございました。
お二人がいなければ、気持ちの面だけでなく、現実的にも、この世に残ることのなかった作品です。
お二人だけではなく、
削除後もつながりをもち、泣き言やお願いを聞いて下さったりと支えて下さった方。
作品を削除する前にメッセージを送って下さったたくさんの方。
返事も反応もないブログにコメントを送り続けて下さった方。
先の事が何も考えられなかった時にずっと慰め元気づけて下さった方。
そして、何かのご縁で、サイトへとたどり着いて下さった皆様。
このお話は、皆様のお蔭で最後までお届け出来た作品だと思っています。
本当に本当に、感謝しています。
もう10年近く前のことで、当時応援して下さっていた方に届くことはないだろうとも思いますが、ずっと申し訳ないと心残りであり、ずっと感謝もしていました。
もしもどなかたでも奇跡的にここに辿り着いて下さることがあれば、少しでもその気持ちが届けばいいな…と思っています。
長い独り言のようなあとがきを、ここまで読んで下さってありがとうございました。
2022.8
きみね