本編《Feb》 エピローグ 三十日月1 病状が落ちつき、転院に問題がないとの診断を受けてから、芙美夏は東京の永が入院する病院へと転院した。 その間、見舞いに訪れ、床に頭を擦り付けるようにして土下座する大竹が園を辞めるというのを、何とか思いとどまって欲しいと説得した。 事故に大竹の... 2022.10.23 本編《Feb》
本編《Feb》 第五章 有明の月3 小さな固い音に反応し、身体がビクッと動き目を覚ました。いつの間にか、芙美夏のベッドに伏せて眠ってしまっていたようだ。 身体を起こした功は、音の正体を探るように辺りを見回し、床に転がったビー玉を見つけた。椅子から腰を上げてそれを拾い上げようと... 2022.10.20 本編《Feb》
本編《Feb》 第五章 有明の月2 功は少し考えてから、口を開いた。「咲ちゃんも、この間ケガをしたんだよね?」 頷きながら城戸の顔を見上げた咲は、彼が頷き返すのを見て、額と髪の毛の境目に手を当てた。「あのね……ここ、おっきなたんぶこが出来たの。たくちゃんにね、押されたから転ん... 2022.10.19 本編《Feb》
本編《Feb》 第五章 有明の月1 東京に戻ってからの功は、しばらく、北海道に向かう時間もほとんど取れなかった。 和美からの報告と、そして香川が二条の名で手を回し、病院からも直接功の元に報告が入るように手筈を整えていたため、芙美夏の現状だけは常に把握できる状況にある。 未だ意... 2022.10.19 本編《Feb》
本編《Feb》 第五章 上弦の月7 翌日、淳也は午前中にやって来る和美と入れ替わりに、東京へ戻ることになっていた。功も明朝には一度、帰京しなければならない。 そんな中、夕べ一度病院から離れていた園長と大竹が早朝から顔を見せた。 功を見て少し驚いたような表情を浮かべた園長の城戸... 2022.10.19 本編《Feb》