番外編《雨月》 通り雨 -雨宿り -おまけ(ターニャのお店)-「ねえねえ」「何よ」「あれ、どうなったのかしら」「あれ?」「ほら、風ちゃんたちの」「ああ……そういやもう、あれから結構経つわよね」「あの後さあ、風ちゃん来た時、笑っちゃったわあ」「すんっごい不機嫌そうなの。顔が」... 2022.09.20 番外編《雨月》
番外編《雨月》 通り雨-③雨過 試験が終わるまでの間、風太はずっと隣の部屋で寝起きし、いつも夜遅くまで明かりが灯っていた。そんな状態が続くと、身体の方が心配になってくる。ここのところ仕事も忙しいらしく、休みも少ない。その上、毎晩遅くまで起きているのだ。 だから、テスト期間... 2022.09.20 番外編《雨月》
番外編《雨月》 通り雨-②小雨 朝から何度目かの溜息が、無意識に零れてしまっていた。じっとこちらを見ている視線に気がつき、我に返る。「何か、ありました?」「え?」「今日あんまり元気ないし。溜息とかついちゃってアンニュイ? って感じだし」「あ、ごめんなさい」「森川さんとケン... 2022.09.20 番外編《雨月》
番外編《雨月》 通り雨-①降雨 「――だから、この公式の場合は、ここの数字をこっちに……ふっ風太さん」「んー」「あ、あの、ちゃんと、聞いてますか」「ああ、これ、こっちに持ってくんだろ」「はい、でも、あの、風太さん」「で、ここに入れて」「手が」「……で、答えがこうだ。だろ?... 2022.09.20 番外編《雨月》
本編《Feb》 第四章 居待月5 芙美夏が答えた住所を、功がカーナビに入力して車をスタートさせた。 もう辺りは随分薄暗くなってきていた。二人ともしばらくは無言で、芙美夏は少し遠くに見える窓の外の灯りへと、視線を向けていた。 もう少しで、この時間が終わってしまう。何か、話さな... 2022.09.19 本編《Feb》