本編《雨月》 第一章 雨と図書館4
翌日から、珠恵は職場で身につけるエプロンのポケットに、ずっとあるメモを忍ばせていた。 初日は、それを手渡す状況を考えては緊張し、雨の日でもないのに、誰かが入口に現われるたびにそちらを意識してしまい、一向に落ち着かなかった。 ――あの人だから...
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